「ドローンで夜間飛行したいけど、規制とかよくわかんないし大丈夫なのかな…」
「許可取らなくても夜間飛行できる場所とかないのかな…」
夜間飛行の規制についてよくわからないとお悩みの方少なくないでしょう。
確かに夜間飛行とはそもそもどの時間を指しているのか分かりにくいですし、どんな手続きをしないといけないのかよくわからないですもんね。
そこで、今回は、実際に夜間飛行の申請をして承認をもらって、夜間飛行を楽しんでる私が、夜間飛行をするのにあたって必要なことや罰則などを紹介していきます。
この記事を最後まで読むことで夜間飛行についての以下の3つの悩みを解決できます。
- 許可なく夜間飛行したらどうなるの??
- どうやって夜間飛行の申請するの??
- 夜間飛行って何時から何時までが対象なの??
ドローンの夜間飛行は国交省の承認が必要??
100g以上のドローンを飛行させる場合、国土交通省への機体登録申請が必要です。
ドローンで夜間に飛行させる場合はそれとは別に国土交通省に飛行承認申請を行い、承認をもらう必要があります。
承認もらえない場合は、当然ドローンでの夜間飛行は禁止です。
ただし、以下の条件を満たしている方は、申請は不要となります。
- 一等・二等のいずれかの機体認証済み
- 一等・二等資格のいずれかを所有
- 立入管理措置を講じてる
夜間飛行で規制される時間は何時から何時まで??
夜間飛行で規制される時間は一体何時から何時なのか気になりますよね。
国土交通省が公開している「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」によると、日中とは以下のことを指しています。
夜間では、無人航空機の位置や姿勢だけでなく、周囲の障害物等の把握が困難に
なり、無人航空機の適切な制御ができず墜落等に至るおそれが高まることから、航
空法第 132 条の2第 1 項第5号により、日中のみ(日出から日没までの間)の飛行
に限定することとしている。
ここで、「日出から日没までの間」とは、国立天文台が発表する日の出の時刻から
日の入りの時刻までの間をいうものとする。したがって、「日出」及び「日没」につ
いては、地域に応じて異なる時刻を表す。
そのため、この定義から見ると、夜間とは国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までの間以外のことを指していると考えられます。
そのため、時間帯は朝でも日が出ていない場合は、夜間飛行となります。
日出・日没時間の調べ方
夜間飛行を行う上で、日の出と日没時間の調べ方は覚えておく必要があります。
調べ方は、いろんな方法があります。
例えば、Googleなどで「日出・日没時間の調べ方」と検索したら、いろんなサイトが出てくるので、そこで確認することができます。
私がオススメするのは、ドローン操縦士が必要とする情報を一つのアプリでまとめて確認できるドローンフライトナビというアプリです。
こちらのアプリは、DID地区の確認だけでなく、飛行させる地域をこのように検索すれば、日出や日没時間を簡単に確認できるので、非常に便利です。
ドローン操縦士の方は是非登録しておきましょう。
ドローンフライトナビ – 飛行制限確認地図
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承認をもらわずに夜間飛行をさせたらどうなるの??
夜間飛行の申請が面倒で承認をもらわずに飛ばしちゃおうって思っている方いるのではないでしょうか。
ですが、もし既にやっている方がいたら、その行為は絶対に今すぐにやめた方が良いです。
なぜなら、もし、承認をもらわずに夜間飛行を行えば、航空法違反として50万円以下の罰金刑が科されます。
そのため、面倒だと思っても夜間飛行する場合は、必ず国土交通省へ飛行承認申請を行うようにしてください。
申請を出さずに夜間飛行できる場所はあるの??
結論から言うと、訓練などのために許可を得た施設であれば、申請を行わなくても夜間に飛ばすことはできます。
しかし、施設内になるので、夜間に空撮で夜景が撮影できたりするわけではありません。
あくまで夜間飛行の申請を行うための訓練として飛行が許されているだけです。
夜間飛行の承認申請を行う条件
夜間飛行は先ほども触れましたが、国土交通省へ申請を行い承認をもらう必要があるのですが、この承認をもらうには、航空局標準マニュアルを使用することが前提となります。
場所指定なしで、夜間飛行を行う場合は、航空局標準マニュアル02に記載されていることを遵守する必要があるのですが、このマニュアルの夜間飛行の項目にはこのようなことが書かれています。
3-3 夜間飛行を行う際の体制
・夜間飛行においては、目視外飛行は実施せず、機体の向きを視認できる灯火が装備
された機体を使用し、機体の灯火が容易に認識できる範囲内での飛行に限定する。
・飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況でのみ飛行を実施す
る。
・操縦者は、夜間飛行の訓練を修了した者に限る。
・補助者についても、飛行させている無人航空機の特性を十分理解させておくこと。
・夜間の離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で機体離発着場所
に十分な照明を確保する。
上記についてそれぞれもう少し具体的に説明します。
機体にライトを装備する
夜間飛行する場合、基本的に目視外での飛行は許されないので、機体がどこを向いているのか、どこにあるのかを容易に確認できるようにこのようなライトを装備する必要があります。
このライトについては指定されたものはないので、飛行させているドローンを目視で確認できるのであれば、どのようなライトでも構いません。
ドローンに装着できるライトは、アマゾンなどで簡単に見つけることができますので、自分に合ったものを購入するといいでしょう。
飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者がいない必要がある
この項目が一番理解に苦しんだかと思われます。
この図を見ていただくと分かりやすいと思われます。
このようにドローンの飛行高度が50mだった場合、その半径50m(直径100m)以内に操縦士と補助者以外の第三者がいるところでは、飛行させてはいけません。
これが飛行高度が50mで、半径60m先に第三者がいる場合は、飛行は可能です。
夜間飛行の訓練を修了した者
この夜間飛行の訓練とは夜間における操縦練習については、航空局標準マニュアル02では以下のように記載されています。
2-4 夜間における操縦練習
夜間においても、2-2に掲げる操作が安定して行えるよう、訓練のために許可等を受けた場所又は屋内にて練習を行う。
この2-2では、以下の3つ操作を指しています。
2-2 業務を実施するために必要な操縦技量の習得
基礎的な操縦技量を習得した上で、以下の内容の操作が可能となるよう操縦練習を実施する。訓練場所は許可等が不要な場所又は訓練のために許可等を受けた場所で行う。
項目 内容 対面飛行 対面飛行により、左右方向の移動、前後方向の移動、水平面内での飛行を円滑に実施できるようにすること
飛行の組合 操縦者から10m離れた地点で、水平飛行と上昇・下降を組み合わせて飛行を5回連続して安定して行うことができること。
8の字飛行 8の字飛行を5回連続して安定して行うことができること。
つまり、電気を消して真っ暗な施設などで夜間を想定した環境を作り、上記の操作の練習をする必要があります。
ドローンスクールによっては、夜間飛行の訓練を行なってくれるところもあります。
ちなみにデイトラでは、カリキュラム内容に夜間飛行の訓練も入っているので、最安値で手っ取り早く訓練を受けたい方にはオススメです。
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夜間飛行の申請をDIPS2.0で行う方法
夜間飛行の申請は国交省のDIPS2.0で包括申請を行う必要があります。
申請の流れとしては、以下になります。
- カテゴリーを決める
- 飛行概要入力
- 飛行詳細入力
- 機体・操縦者の選択
では紹介していきます。
カテゴリーを決める
ドローンの飛行には大きく分けてカテゴリーI〜Ⅲの3つあります。
今回紹介する夜間飛行は、ここでは例として機体認証なしで国家資格も無しでの飛行とするので、カテゴリーⅡA飛行となります。
なので、そうなるように項目を選択する必要があります。
- STEP1まずはこちらからDIPS2.0にアクセスして、ログインします。
- STEP2
次に「飛行許可・承認申請へ」をクリックします。
- STEP3
次に「飛行許可・承認の申請書を作成する」の中にある「新規申請」をクリックします。
- STEP4
「次へ」をクリックします。
- STEP5
「目視外飛行」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
- STEP6
次に機体認証と国家資格の有無についてはここでは「いいえ」を選択します。
機体認証をしていて国家資格を持っている方は、「はい」を選択してください。
完了したら、「次へ」をクリックします。
- STEP7
最後に、機体の重量が25kg未満かどうかに「はい」選択して、次へをクリックします。
- STEP8
これで飛行カテゴリーが決まるため、カテゴリーが表示されたら「飛行許可・承認申請へ」をクリックします。
飛行概要入力
次は、飛行概要入力をしていきます。
- STEP1
ここでは飛行目的を選択していきます。
ここでは「趣味」を選択します。
- STEP2
自動的に「立入管理区間の設定」が選択されているので、ここでは何も選択する必要はありません。
- STEP3
次に飛行する空域が禁止されている空域であれば、それを選択していきます。
ここでは、禁止区域ではないところで飛行すると仮定して何も選択せず進めていきます。
- STEP4
飛行許可が必要な理由も自動的に入力されているので、ここも何も選択する必要はありません。
次に下の項目の飛行理由を選択します。
ここでは、「飛行の目的と同じ」を選択します。
夜間飛行以外での特定飛行をする場合は、当てはまる項目にチェックを入れるようにしましょう。
ここでは、何も選択しません。
- STEP5
次に飛行する期間を選択していきます。
なるべく長い間、目視外飛行での飛行を行いたいため、年間を通じての飛行に「はい」を選択して、開始日を入力します。
- STEP6
飛行する場所は、「特定の飛行・経路で飛行する」を選択して、「次へ」をクリックします。「趣味」の場合または「空港周辺」若しくは「地表・水面から150m以上の高さの空域」を飛行する場合、飛行の経路は特定する必要がある。
飛行詳細入力
次に飛行詳細入力を行なっていきます。
ここでは、飛行場所や飛行経路などを入力していきます。
- STEP1
飛行場所は、都道府県単位ではなく、上記のように詳細に書きましょう。
- STEP2
- STEP3
目視外飛行での飛行の申請先は、東京航空局または大阪航空局のどちらかになります。
こちらにそれぞれの管轄地域が記載されているので、それを参考にして申請先を選択してください。
選択できたら、「次へ」をクリックします。
機体・操縦者の選択
次に機体・操縦者の選択を行います。
- STEP1
「機体選択」をクリックして、登録している機体を追加します。
- STEP2
次に事前に登録していた操縦者を選択します。 - STEP3
次に使用する申請マニュアルを選択します。
目視外飛行での飛行をする場合、このマニュアルを元に飛行させる必要がありますので、必ず「使用する」を選択しましょう。
今回場所を特定した飛行になるので、「航空局標準マニュアル01」を選択します。
航空局標準マニュアルは、こちらから確認することができます。
選択ができたら、「次へ」に進みます。
次の「その他詳細等入力」は、第三者賠償責任保険への加入についてなど任意の入力が多いため、割愛させていただきます。
後は、申請書の確認を行なって、問題なければ、申請を行い完了となります。
夜間飛行ができるようになると撮影できる映像の幅が広がる
ここまで夜間飛行についての説明してきました。
国土交通省への申請までも少し手間がかかりますが、無事、国土交通省から承認をもらうことができれば、撮影できる範囲が大きく変わります。
ドローンで撮影した夜景や夕日の映像があるとないでは、作れる動画にも大きく影響します。
申請などの面倒な手続きでも、事業者なら尚更、ルールに則って夜間飛行を楽しみましょう。