「ドローンを飛ばす際に必ずと行って出てくるDID地区って何なの?…」
「DID地区では結局飛ばしてはいけないの?…」
ドローン飛行を飛行する上で付き纏うDID地区って、漠然としていて案外理解していない人も多いですよね。
規制はあるのは知っているけど、厳罰がどの程度なのか、そういった疑問もあると思います。
そこで、今回は、そのような方のためにDID地区とは何か、DID地区で飛ばすとどうなるのかなどについて紹介していきます。
この記事を最後まで読むことでDID地区でドローンを飛ばすにあたって気になる以下の3つについて理解することができます。
- DID地区とは何か、飛ばす方法や調べ方について
- DID地区でドローンを飛ばすと厳罰はあるのか??
- DID地区でドローンを飛ばすメリット・デメリット
DID地区って何??
DID(Densely Inhabited District)地区とは人口集中地区のことで、市区町村の区域内で人口密度が1平方キロメートルあたり4000人以上の基本単位区がお互いに隣接し人口が5000人以上となる地区を指します。
また上記条件以外にも都市的地域を表す見方から、学校や港湾、倉庫、事務所、工業地帯、病院などの都市的傾向が強い基本単位区は人口密度が低い場合も人口集中地区に含まれます。
DIDは都市的な地域と農村的な地域の区分け、狭義の都市としての市街地の規模を示す指標として使われます。
そしてこのDID地区はドローンを飛行させる上で大きく関わっており、DID地区上空でのドローン飛行をすることは、ドローンの落下により事故が生じる可能性が高いため禁止されています。
DID地区で飛ばすには??
上記でお伝えした通り、基本的にDID地区でのドローン飛行は禁止されていますが、例外的に許可される場合があります。
「DID地区での飛行が許可される場合」について、ここでは2つ紹介します。
① 安全に飛行できる
航空法が定めた「安全を損なうおそれのない飛行」の場合、DID地区での飛行が許可されますが、明確な基準を理解しておらず主観で判断すると問題に発展してしまう可能性があります。
「安全を損なうおそれがない飛行」には、屋内での飛行や周囲・上部がネットなどで囲まれた場所での飛行が当たります。
しかし「自分が所有している土地」や「河川敷」での飛行は許可された条件に当てはまらないので注意が必要です。
② 国土交通省の許可がある
ドローン飛行前に国土交通省に許可申請を行い飛行許可を取得した後、安全基準に従い飛行できます。
許可を取得するには、機体自体の安全性や操縦者の経歴、安全の確保に対することなど様々な基準を満たさなければいけません。
DID地区の調べ方は??
実際に飛行させたい場所がDID地区に該当しているのか調べる方法について2つ紹介します。
① 国土地理院の公式サイトを利用する
国土地理院の公式サイトを利用しDID地区を調べることができます。
公表されている「地理院地図」で平成27年の国勢調査で定められた人口集中地区を見ることができますが、注意点として国勢調査は5年に一度行われるため、情報が更新される可能性があります。
以前調べた時はDID地区に指定されていなかった場合でも、現在ではDID地区になっている可能性もあるので飛行前には必ず確認しましょう。
② アプリで調べる
近年では、ドローンを使用する機会が増えたこともあり「ドローン飛行チェック」と検索すると、マップ上でDID地区の確認をできます。
更に指定した場所のドローン規制に関する情報も知ることができます。
無断でDID地区で飛ばしたら逮捕される可能性もある
禁止区域でドローンを飛行させた場合、航空法違反に当たります。
罰則に懲役刑はありませんが書類送検され、また最大で50万円以下の罰金が課せられます。
ドローンでの違法行為は逮捕まで至らないケースが多いですが、過去に逮捕された事例もあり、飛行場所だけでなく、飛行高さや周波数の規制もあります。
もし飛行禁止区域で飛ばしてしまい、それがバレていないと思っても知らない間に通報されている可能性もあります。
トラブルを防ぐためにも飛行前にDID地区の確認を必ず行いましょう。
DID地区で飛ばすメリットは??
工場の効率化
①生産状況が見える
敷地の大きな工場では多くの人がさまざまな箇所で作業しています。
広ければ広いほど各部署の人員配置や生産の状況が分かりにくく、各部署の責任者の報告を受けてから整理するのに時間がかかります。
しかしドローンを活用し上空から撮影する事でどこにどれだけ人員が配置されるかが簡単に確認でき、生産状況の把握ができます。
②設備点検の効率化
工場では安全のため日々設備の点検が行われていて、生産設備すべての設備を点検する必要があるため、広い工場では時間も手間もかかります。
しかしドローンを活用することで上空から設備の状況を確認できるため点検作業を効率化することができます。
物流の効率化
①迅速な宅配
日本国内でのドローンの飛行高度は150m未満と決められていて、この高さだと飛行する際の障害物はビルや鉄塔くらいです。
つまりドローンを活用し宅配を行えば、直線的な宅配が可能になるため人が陸路で宅配するより早く届けることができるうえ、DID地区のような人口が多い都市では、渋滞や人混みでスムーズに宅配できない状況を避けることができます。
すでにAmazonはドローンでの宅配の実証実験を行い、実績を出しています。
②人手不足問題を解消
そしてドローンでの宅配のメリットは、早く届けられること以外にも「ウーバーイーツ」のような宅配業界で起きている宅配員の人手不足や宅配員のマナーが悪いといった対人トラブルも防ぐことができます。
警備の効率化
①警備を迅速に行える
自由にアングルや遠近を調整できるドローンで警備を行うことで警備エリア内を迅速に抜け目なく監視することができます。
広範囲のエリア警備も可能なため、異常の早期発見につながり、また人が確認しにくい危険箇所も上空から監視できます。
②人手不足問題の解消
警備員は働く環境などから人手不足が続いています。
ドローンを警備に活用することで必要人員が削減できるため人手不足を解消でき、結果的に人件費の削減にもつながります。
③犯罪の抑制
ドローンは上空から広範囲で監視が可能なため、不審者がいればすぐに察知でき、サーマルカメラを活用すれば夜間でも見逃しません。
ドローンが飛んでいるだけでも、見られているという威圧効果を期待できます。
その他
事件や事故などの出来事は基本的に人がいる場所で発生し、ニュースやテレビなどの映像作品など、臨場感溢れるものや現地の状況について伝えたいときにDID地区でドローンを飛ばすことで分かりやすく、いろんな角度で情報を発信することができます。
DID地区で飛ばすデメリットは??
墜落の際に事故につながるおそれがある
DID地区でドローンを飛ばすデメリットの中で代表的なのが事故のおそれがあることでしょう。
熟練した操縦者であってもドローンは少しのことでバランスを崩し墜落してしまう可能性があります。
何もない地面に落ちるだけなら問題はありませんが、工場で生産ラインや設備に落ちた場合は工場を止める可能性が出てくることもあり、宅配においてもDID地区では人口が多いため、墜落した際に人にぶつかるリスクが高いといえます。
上空を飛行しているドローンがぶつかってしまうと重大な被害につながってしまうことも少なくありません。
また家や所有物にドローンがぶつかってしまった際に器物破損として訴えられてしまう可能性も考えられます。
性能限界がある
ドローンの無人飛行での配達では、人が宅配をするのと違いセキュリティー面が懸念されます。
配達中に荷物が盗難されることも考えられます。
多くのドローンはバッテリー搭載型でありフライトできる時間も限られるため、フライト時間を考慮する必要があります。
上空を飛行しちょっとしたことでバランスを崩し墜落しやすいことからも、風が強い日や悪天候の日には操縦不可能なことが多く、ドローン導入により宅配や警備の人員を削減してしまっていた際に人手不足になることが考えられます。
またドローンは遠隔操作のため細かな動作が苦手で、ドローン宅配が普及した場合に上空で鳥との接触や他の人が操縦するドローンと接触する可能性もあるでしょう。
商業用以外ではDID地区で飛ばす必要はない
ここまで記事を読んでいただいて、DID地区でドローンを飛行することは、工場や宅配業務など商業用として活用する際にメリットが多いことがご理解いただけたと思います。
そのため趣味として上空からの撮影、ラジコンとしてのドローン飛行などの商業用以外の目的での飛行は、事故や申請の手間を考えるとあえてDID地区で飛ばす必要はないと思います。
近年では個人でドローンを持つ人が増え技術の進歩を感じる半面、ドローン関連のトラブルが増えているのも事実です。
ドローンを飛行する際は、使用するにあたり周囲の人に迷惑をかけることが無いよう、航空法などのドローン規制について十分理解したうえで利用するようにしましょう。